宮澤秀巖

語録集「心の置き方」

語録集

故宮澤秀巖先生が遺したお弟子様への師事語録の一部。
美術品、芸術品の定義。書の次元の完成。現代日本において失われた教養への警鐘など、
秀巖先生の書に対する探究・究明の姿勢が窺えます。

「心の置き方」

心を崇高に置く貰い者。之は托鉢の聖者とされる。乞食は只、自己の生命の維持の為に貰って歩く。身は墨染めを纏うとも、心低くきは乞食坊主と言はれる。如何に優れた作品を作っても、作家の作は技術の作。芸術品にはならない。書き方の世界、お習字の世界、作家の世界、芸術家の世界、人其れぞれの心の置き方、修行の有り方に據って定まる。同じ大根で有り乍ら、対する人の心に據りて餌と食事と料理に変える。
其れは何故か?
字引きの字引きを書かなくとも、各自が究明す可し。

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